スタートライン -First☆Season- *秘密な恋は、俺様社長と?*
厨房に向かっている間はずっと無言。
というか、話せるようなそんな気分じゃない。
もう、心の中がぐちゃぐちゃで。
押し潰されそうな恐怖だけが、
あたしの心の中を駆け巡っていた。
どうか。
どうかあたしの心を押し潰さないで。
「着きました、桃さん」
気付けば、佐倉さんがあたしの目の前で困った表情をしていた。
あたし、そんなに不安そうな顔をしていたのだろうか。
「すいません……」
あたしは佐倉さんに一礼すると、
厨房の扉を開けた。
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