スタートライン -First☆Season- *秘密な恋は、俺様社長と?*
焦りを感じたあたしは、咄嗟にお兄ちゃんに話しかける。
お兄ちゃんは、静かにあたしの方を向いた。
「お前、明日の夕方開けとけよ?」
「どうして…?」
「色々あるから」
そう発言するお兄ちゃんが申し訳なさそうな表情をしている事に気付かずに、食事にでも連れて行ってくれるんだと思い込んだあたし。
「明日ね、分かったっ!」
「お願いな」
あたしの返事を聞いたお兄ちゃんは、安心したようにあたしの手を離した。
「俺はちょっと寝るわ。お出迎えありがとな、桃」
そう言うと、お兄ちゃんは颯爽と和室を後にした。
「―――っ…、暑っ!!」
夏の暑さはまだまだ続きそうだ。
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