天国からのプロポーズ
美樹「冗談でしょ?起きてよ!本気で怒るよ!正樹起きてよ」



何度も呼んで…



何度も揺すって…



何度も抱き締めたけど…



もう正樹が起きる事はなかった。



美樹「正樹…私のお腹には貴方の赤ちゃんが…」



某駅前でサラリーマンと若い不良が喧嘩になっていたらしく一方的にサラリーマンがやられていたのを見た正樹が止めに入ったが酔って興奮していた若い不良はポケットからナイフを出して正樹を刺した。



救急隊が現場に着いた時は息があったらしく急いで病院に向かったが着く寸前で息を引き取った。



正樹の葬儀には沢山の参列者が来てくれて改めて正樹の人の良さが分かった。



葬儀が終わり数日後…



私は妊娠していたのを隠す訳にはいかないし産むのを決めかねていたので、まずは両親に話す事にした。



美樹「わたし妊娠してるんだ」



ママ「そうだったの…」



パパ「妊娠って…正樹の子か?」



美樹「当たり前じゃない」


パパ「…お前がどうしたいのか知らないが産む事は認めん」



美樹「なんでよ?」



パパ「認められるはずないだろ!父親がいないんだぞ!それにお前はまだ30歳だ!まだ全然嫁にいくのも間に合う」



美樹「正樹が死んだばかりなのに嫁に行く話なんてしないでよ」



ママ「美樹…正樹君は良い子だったしパパだって正樹君の事は好きだったのよ」


美樹「…」



ママ「でも親としては娘をシングルマザーになんてさせたくないのよ」



パパ「子供が居ない方が結婚しやすいだろ…」



美樹「どっちにしろまだ何も決めてないから」



数時間後小百合から電話があったのでカフェで会う事になり部屋を出て玄関を出るとパパが庭いじりをしていた。



美樹「ちょっと出掛けてくるね」



パパ「あぁ…」



コッチを見なかったけどパパが泣いているように見えた…



そーいえば私が家に居なくても正樹は遊びに来てパパの庭いじりを手伝っていたなぁ



懐かしい…
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