ひとひらの記憶
第一話

-手術-

高校二年生の春、私は入院し、手術をすることになった。

もともと心臓が悪く、病気がちだった私は、幼い頃から入院することが多かった。そんな私は、もちろんスポーツなどできなかった。

やったことも、無かった。


学校の体育でさえ、やらせてもらうことはできなかった。心臓に負担がかかるからだそうだ。

いつも学校や、病院の窓から、皆がスポーツをやっているのを見ているだけ。

そんな生活が嫌になり、担当の医師に相談した。


手術でしか、治らない。
そして、その手術の成功率は、20%しかない。


医師にそう言われた。
諦めた方がいい。

そう、医師は冷たく言い放った。


でも、私は諦め切れなかった。

治して、皆とスポーツがしたい。
私の心は、その思いでいっぱいだった。


両親は、手術に反対していた。
私に、諦めるように何度も説得しようと試みる。

だが、私の心は揺るがなかった。

私は、治したい。手術してでも。

両親は、そんな私の揺るがない心に打たれ、とうとう手術に賛成してくれた。


―――――そして私は、手術を受ける。







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