身長差15センチの関係
「あ、その・・・・・・」
「私には言えない理由なのか?」

「す、すみません、離れますっ」
「まあ、待て」

身を離しかけた高志の背に、
再び弓倉の腕がかかった。

「先生っ?」

「大きな声を出すな、これで理由ができたろう」

高志を抱く弓倉の力はさほど強くない。
それでも高志は動けなくなった。

「誰か来たら困りますよ」
「ああ、困るな」

「見られたら、大騒ぎになりますよ」
「だろうな」

「どうするんです?」
「うむ、どうするか」

質問と答えを繰返す2人。

「正直、また君が逃げてくれると助かるなと思ってるのだが」

「また僕が逃げるんですか?」
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