身長差15センチの関係
「嫌か?」
「楽しくはないです。それに・・・」

下から弓倉を見上げる高志の顔。
弓倉もまた視線を落として顔を向ける。

「僕を捕まえているのは先生です」

「そうだな、だから余計に問題だ」

弓倉は、隅々まで高志の顔を眺めた。

「なんです?」

「やはり君の背丈はこれくらいがいいと思ってな・・・」

「・・・知っているか?人間は、下から見上げてくる方がかわいく感じるのだ」

「知ってます。でも、男にかわいいと言うのは誉め言葉じゃないですよ」

「そういうところが可愛いな、少年」
「むう」

身体を付け合ったままの会話。
意識せずとも、自然にやりとりが行なわれる。

そして、寂しそうに高志。

「でも、ずっとこのままではいられないです」


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