身長差15センチの関係
「はあ、すみません。次は気をつけます」

突つかれながら、くやしがる弓倉を気遣って高志が答える。

その気遣いが弓倉に伝わり、それがかえって弓倉をワキワキさせる。

「だいたい、人が気にしていたテレビ特集を見るのを我慢して仕事を先に進めていたというのに」

だんだん愚痴っぽくなる弓倉。

「それって高級リゾート特集ですね。先生、旅行好きだから」

「そうだ」
「やっぱり」

とくに高級ホテルとか老舗旅館とかを絡ませるのが、高志の知っている弓倉の好みだ。

愚痴る弓倉は置いておいて、
高志は自分が知っている弓倉の一部にふれられて、嬉しい気分になる。

それつい、よけいな一言。

「録画してなかったんですか?」

ギロリッ。
鷹の目から虎の目へ。
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