身長差15センチの関係
「あ・・・・・・」

かーーっと熱くなる高志。

「今度は倒れるなよ、少年」

高志はすっかり硬直。
弓倉が言葉どおり高志が倒れないか確かめながら、徐々に腕を緩ませ完全に離れるまで無言で立ちつくした。

「さてと」

そんな動かない高志の目の前に、くいっと近づく弓倉の顔。
教師の顔で覗き込み、真面目に訊ねた。

「どうした?悩み事か?」
「え?」
「階段を上がってくる君はまさに茫然自失というやつだったぞ」

「普段なら避けて通るところだが、ほっておくには分かりやす過ぎる落ち込み具合だったから、正面で受けとめたんだ」

じーーーっと、間近で高志を見つめる弓倉。

「まさか、本気で私の胸が目的だった訳ではあるまい?」

ぶんぶんぶんっ。
高志は横向きフルスピードで首を振った。

それを見て弓倉の目が緩み、階段の端に落ちた高志の成長記録帳が目に入る。
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