身長差15センチの関係
「そうか、今日は測定日だったな」

弓倉はノートを拾い上げ、高志に手渡して言う。

「で、どうする?私に相談するか?私が解決できる悩みならそうすることを勧める。そうでないのなら無理には聞かない」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・そうか」

まさか身長が伸びるのが止まったなどと言えず黙ったままの高志の表情を汲み取って、
弓倉は頷いてみせた。

「では、私はこれで失礼する。君も教室に戻れ。それから・・・・・・」

弓倉は周囲を見まわし誰もいないことを確かめた。
腰を折って高志の耳元に口を近づける。

「今のことはお互いもうけたと思って胸にしまっておこう。他言無用だ」

この件は以上。
弓倉はすくっと背筋を伸ばし、高志がどうするのかを待たずにすたすたと階段を降りていく。



「・・・・・・お互い?」



高志がその部分に気がついたとき、弓倉の姿はもう消えていた。

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