身長差15センチの関係
弓倉は上機嫌だ。

薄いと文句を言ったコーヒーをすすり、ポケットの中に手を入れる。

そこから引出されたのは煙草の箱。
一本、煙草を抜こうとしたところでその手がとまる。

自分の煙草を見る、高志の驚いた顔に気がついたからだ。

「おっと・・・・・・、これはいかんな」

さっと煙草を戻す弓倉。

「先生、煙草吸うんですか?」

「うむ・・・・・・、学生時代に覚えた悪癖だ」

意外そうに問う高志に、弓倉はバツが悪そうに答えた。

「そうですか・・・・・・」

それ以上なにも言わずティーカップに手を伸ばす高志。

弓倉は黙って紅茶を口にする高志を眺め、

幾分間を置いて、声のトーンを調整しながら尋ねた。

「煙草を吸う女は嫌いか?少年?」

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