身長差15センチの関係
「え、わわっ」

慌てて手を下ろす高志。

「な、なんでもないですっ」
「ならいいが、荷物持ちの刑の腹いせに何かしかける気なら、やめてくれ」

「ち、違います」
「うむ」

慌てる高志とは逆に、静かに言う弓倉。

「まあ、これだろ?君の用事は」

高志が説明を始める前に、指でつまんだボタンを高志に渡してくれた。

「あああ、これですっ」

輝く、高志の笑顔。
弓倉はそれを眺めて、

「いい笑顔だな。少年」

言った。
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