身長差15センチの関係
「え、わわっ」
「な、なんでもないですっ」

少年は慌てている。

「ならいいが、荷物持ちの刑の腹いせに何かしかける気なら、やめてくれ」

「ち、違います」
「うむ」

落ち着け、落ち着けと、
自分に言い聞かせる弓倉。

「まあ、これだろ?君の用事は」

とにかく、これを渡せば終わりだ。
ボタンを渡した。

「あああ、これですっ」

本当に嬉しそうに輝く少年の顔。
弓倉の苦悩など全くかまいなし。

「いい笑顔だな。少年」

弓倉は言って、

押えきれず、渡したばかりのボタンを取り上げていた。

(・・・・・・しまった)

思ったときは、遅かった。
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