身長差15センチの関係
「必要なら砂糖も追加しろ」

「じゃあ、もう少し」

「うむ、入れてやろう」

と、勝手にステッックを一本切って高志のカップに傾ける弓倉。

ざーーー。
一本まるまる追加し、

「あ、入れすぎ」

高志が言おうとすると、さらにコーヒーを上から継ぎ足した。

なみなみと、
こぼれるギリギリまで。

「よし、飲め」

「先生、まだ怒ってるでしょう?」

「どうかな?」

高志はうらめしそうに弓倉を見ながら、コーヒーがこぼれ落ちないように両手でそっとカップを持ち上げ、口をつける。

さっきより甘いコーヒー。

「旨いか」

「・・・はい」

わずかだが、
高志にはその分だけ美味しくなっていた。
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