身長差15センチの関係
「僕のせいですかっ?」

「うむ」

かなり理不尽だと思ってした抗議に、あさっり頷く弓倉。

「君以外の相手にこうなる自分が想像できない。そうなる過程も思いつかない。よって君のせいだ」

「うわあ」

無茶苦茶だ。

「まあ、良いではないかっ」

と、首に回された腕がゆさゆさと揺らされる。

「昨日も街で言ったろう、それが君の魅力なのだ。その魅力を教えてやった女の前で泣くのはよくないぞ」

(ごまかしてる)

(先生は明らかにごまかしにかかっている)

高志も馬鹿ではないので分かる。

が、

何か言おうとすると、弓倉は高志の身体を揺らし口を封じる。

「だいたい、背が低いことで何か困ったことがあるのか?」
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