それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
…しばらく沈黙。
「悪かったな、無理に誘って。苦手って、知らなくて。」
足を伸ばし、その先を見つめる先輩。
「…まだ気にしてたんですか??」
「まぁ、な。」
そう、『お化け屋敷』の恐怖と緊張で気分が悪くなって…。
先輩って意外と気にするタイプかも??
でも、先輩が声を掛けてくれたからヒロ先輩とも話すようになれた。
また、サッカー部のマネージャーにもなった。
ドキンと心臓が鳴った。
旬磨先輩の想いに応えられないアタシは……。
「万桜。」
「はい??」
「ヒロに…気持ち伝えたか??」
「!!」
な、何を言い出すの先輩!!
手の力が抜けて、カップを落としそうになった。
「好きなんだろ…、ヒロの事。」
その声は穏やかで、落ち着いている。
「…どうして、そんな事……。」
ドキドキしながら聞く。
「まぁ、万桜の事見てたらなんとなく分かるよ。」
隣りにいる先輩が、とても大人に見えた。