それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
ドキドキが止まらない。
また先輩に告白されたみたいに…。
『いつも見てる』って、そんな風に。
「あ、あの…。」
「謝ったりするなよ。」
ごめんなさい、と口から出そうになっていた。
「悪い事した訳じゃないし。」
優しさが辛かった。
旬磨先輩が嫌な人なら良かったのに。
そうだったらこんなに心が痛まない。
「何だかタイミングが合わなくて…。」
正直に答えた。
「あ~そうか、ムズカシイかもな。学年も違うし。」
先輩はそう言って、時計を見た。
「そろそろ、中に入るぞ。」
先輩の後に続き、アタシも立ち上がった。
「うまくいくと、いいな。」
そう言って先輩は右手を差し出した。
「今日だけ…、俺の彼女な。」
アタシも左手を出し先輩の手を握った。
ありがとう、旬磨先輩。
悩んでいた自分が小さく思えた。
大丈夫!!
まずは伝えよう。
旬磨先輩の気持ちを無駄にしないように。