それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


俺は、そこから万桜が来られないように立ちはだかる。

しかし気付いたら三浦先輩が俺の後ろにいつの間にかいて、

ポン……

と肩を押され、俺は横へよろけてしまった。

「さかしたまおちゃん、こいつ女にマジになった事なさそうだぜ。そろそろフラれるかもよ。」

万桜の髪を優しく撫でる。

万桜はビクンと体を震わせ、その手から逃れようと2、3歩後退りした。

「止めろよ…。」

万桜と先輩の間に、割り込んだ。

万桜は固い表情だ。

今の先輩の発言…。

俺が女にマジになった事ない、なんて。

恐ろしい言葉だ。

が、きっとそうなんだろう。

傍(はた)から見たら、そんなイメージなのだろう。

「彼女は関係ないでしょ。」

背中に隠れる万桜が、制服の裾を掴んだ。

万桜……。

大丈夫、俺が守るから。

< 112 / 234 >

この作品をシェア

pagetop