それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
アタシを殴って下さい、なんて大胆な事を言ってしまった。
言ってから、その意味を思い知らされた。
「ば、馬鹿!何言って…。」
慌てたヒロ先輩は瞬きばかりしている。
だって、だってアタシ…!
「…っかみて~。」
三浦先輩は大きなため息をついた。
「行こうぜ。」
そしてまた、重い扉を開けて行ってしまった。
「おい、拓翔!」
「なんだよ、これからなのに!」
慌てて追いかける、お友達。
…理解出来ないその行動。
さっきの食堂と同じように、それ以上には深く入り込まないというように三浦先輩は姿を消す。
「……。」
残されたアタシとヒロ先輩は、もう誰もいない屋上の扉をただ見ていた。