それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
力が抜けたアタシはへなへなと座り込んでしまった。
今さらながら、緊張から解かれたように。
「万桜。」
ヒロ先輩も隣りに座った。
「無茶して…。俺だったら心配ないのに。」
アタシを見つめるその瞳が、あまりにもまっすぐで…。
目を逸らしてしまった。
「…ごめんなさい。」
「ホントだよ、まったく。…でも嬉しかったよ、ありがとう。」
先輩が優しくて優しくて、涙が出そうになる。
「俺、万桜に助けられちゃったな。」
そのまま、固いコンクリートの屋上に寝転んで先輩は曇った空を見ている。
…前は助けられた。
女子の先輩に絡まれた時。
だからアタシも先輩を守るよ。
守られてばかりの、アタシじゃないよ。
同じように先輩の横に寝転んだ。