それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
「もう、お前達の周りチョロチョロしないから。」
違う、言いたいのはこんな事じゃない。
俺の気持ちをよそに、彼女は嬉しそうに微笑んで立ち上がった。
でもそれは俺のモノじゃない。
今、目の前にあるけど、俺に向けられた笑顔じゃない。
「すみませんでした。こんな事して…。」
ペコリと頭を下げ、俺に背中を向けた。
「なぁ…!」
声を掛けてしまった。
止められない、自分がいた。
不思議そうな顔をする。
「本当にアイツの事、信じてるの?」
「は、はい。」
そして伏し目がちに恥ずかしそうにうつむく。
「裏切られたら、どうするの?」
…我ながらヒドイ事言っちまった。
立ち上がっり、彼女の元へ近付く。