それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


「今まで悪かった、って言ってくれたんだ。」

ヒロ先輩は何度も鼻に手をやる。

「本当…ですか?」

「ああ。」

アタシもヒロ先輩と同じくらい、嬉しくなった。

胸の奥にあったかい風か吹き込まれた。

「それで…万桜と仲良くな、って。」

「うん。」

「『俺を振ったんだから別れたりしたら許さない』って。」

!!

三浦先輩に告白された事を、ヒロ先輩には言っていない。

「俺、ちゃんと先輩に約束したよ!」

そう言って立ち上がった。

「じゃあ後でな!」

ずーっと笑みを絶さない。

知ってるよヒロ先輩。

三浦先輩とどんな約束したかは。

きっとアタシの事……。

ヒロ先輩の後ろ姿を見送る。

背の高い、アタシだけのヒロ先輩。

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