それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
これを受け取ったら、OKになる。
この人の気持ちまで受け取る事になるなら…。
「…ごめんなさい。受け取れません。」
「……。」
三浦先輩はふうっ、と息を短く吐いた。
「うん、分かった。」
そしてそれをポケットに入れる。
「ありがとうな!」
アタシの頭にポンと触れ、振り返る事なく行ってしまった。
高く上げた手の中に、卒業証書が入れられた筒がしっかりとあった。
ありがとう先輩!
先輩も立ち止まらずに進んで下さい。
そんな三浦先輩の背中を見つめていると、潤くんの事を思い出す。
潤くんも今日が卒業式。
一足早く届いた『合格』の知らせに安心していた。
来週にはこっちにやって来る。
きっと期待感が大きくてワクワクしているだろうな。