それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
思い出したように、旬磨先輩は帰りのバスで笑い出した。
「??」
「万桜とデートは遊園地とか行けないな~。」
「えっ!?」
「お化け屋敷も観覧車もダメなんて、ヒロ可哀相~。」
そんな~、そんな事言わないで下さい。
アタシの手は、先輩の手にサンドイッチされていた。
優しく両手で包み込まれている。
「楽しかったな。」
愛しいそうに、包み込んだアタシの手を見つめる。
「はい。」
そして両手を胸の前まで上げ、アタシの手を離した。
離れた手。
「万桜、頑張って幸せになれよ。俺も協力するから。
まずはきちんとヒロに気持ち伝える事!!」
自分の両手をギュッと握り締め、大きく頷いた。
何も返事が出来ないほど、胸があったかくなった。