それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
次の瞬間、ようやく回りの視線に気付いたヒロ先輩。
『久保梓』を両手で突き放し、アタシに視線を向けた。
アタシもまっすぐに見つめる。
喉まで出かかっていた。
この子は何者なのか…。
「悪い万桜!変なトコ見せて!あずは幼馴染み…みたいなモンなんだ。あ、後でちゃんと話すから!」
そう言うと風のように去って行ってしまった。
幼馴染み…。
良かった。
でも、いきなり抱き付くなんて…。
それにアタシに対する視線。
もしかして…?
『幼馴染み』という立場の彼女は、愛しそうにヒロ先輩を目で追っていた。