それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


久保梓のペースで、俺と万桜の数歩前をヒロとこの子が歩く。

さっきの、電話をしていた久保梓の話し方とはやっぱり違う。

どっちが本当なんだ?

なんだかオソロシイ女に見えた。

「万桜。」

答えを探しても、見つかりそうもない。

まぁ別にどうでもいいか。

「コーヒー飲みに行くか?」

「……うん。」

少し考えて、笑って答えた。

…俺だってもう見ていたくなかった。

目の前でどう見ても、イチャついてるとしか思えないこいつらを。

久保梓はヒロの腕に自分の腕を絡め、体を擦り付けるようにしている。

初めのうちは、そのたびに腕を振り払っていたヒロだったか、何度も繰り返されるそれに諦めたように抵抗しなくなった。

何考えてるんだよ。

ここに万桜がいるのに。

なんかわかんねぇよ、最近のお前。

< 175 / 234 >

この作品をシェア

pagetop