それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
梓の気持ちは本気だと分った。

約束は覚えてないけど、梓はずっと俺を想っていたらしい。

ただ無邪気にいつも俺達に付いて来ていた梓。

そしてこんなに成長して、現れた。

でも、万桜に『約束』の事を教えたと梓は言った。

…万桜はどんな風に受け取っただろう。

いい加減な男だと思われたか?

やっぱりそんな男だ、と。

いつものように携帯を握り締めるが……そこからボタンを押す勇気がない。

『何だよ、勝手に旬磨と消えて!俺も誘えよ!』って、いつもみたいに言えそうもない。

………怖くて逃げていた。

万桜に嫌われそうで、ただ怖いんだ。

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