それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
「万桜。」
旬磨先輩の優しさにアタシの心は揺れてしまいそうな程だった。
「お疲れ様です。」
グランドまでの道のりを並んで歩く。
「いよいよだな、新しいコーチ。」
今日から来る予定のコーチの噂で部内はもちきりだった。
詳しくは福山コーチは教えてはくれない。
ただ大学生で、技術はピカイチだと言っていた。
「ドキドキしますね。」
「何で万桜が!?」
「何となく…。」
旬磨先輩は笑う。
グランドには福山コーチと話す、見掛けないジャージ姿の人が見えた。
きっとあの人だ。
背高いな。
「なぁ、あの人って…。」
旬磨先輩が指差した。
……嘘っ。
嘘でしょ!
福山コーチと話す相手のその横顔は……!!!