それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
「で、万桜はどうしたいの?」
アタシは、どうしたいのだろう。
「…分んないよ、どうしたいのか、どうしたらいいのか。」
何もかも分からない。
下唇に触れていた潤くんの手が、アタシの髪に触れる。
「潤くんと付き合ってる時に、こんな思いした事なかったし、アタシどうしたらいいのかわかんない。」
両手で顔を隠した。
止まることなく潤くんの手は、優しく髪を撫でる。
「バカだなぁ万桜は。今まで俺の愛の深さに、気付いてなかったのか?」
……今気付いた。
アタシ、守られていた…?
潤くんはアタシが辛くないように、悲しまないように、色んなモノを排除していた?
アタシは腕の中にいた。
懐かしい匂い。