それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


そして、

「頼むな、万桜の事。」

と真剣な顔で言った。

俺も真剣に答えた。

「あぁ、分かってるよ。俺が万桜を守るよ。傷付けたり、悲しませたりしないよ。」

万桜にも言わなかった決意を伝えた。

安心したような表情で、旬磨は続けた。

「万桜を泣かせたら、そん時俺、マジギレするからな。」

まだ万桜の事を想っていると、分かった。

そうだな、あんなに好きだからな。

大切にしなきゃ。

旬磨の分も。

万桜が笑って目が下がった顔が浮んだ。

俺が守らなきゃ、あの笑顔を。

「じゃあな…。それだけ言いに来たんだ。」

イスを戻して、ドアに向った。

「あ、俺…。」

「?」

振り向いて、旬磨を見た。

「お前らに気は使わないからな。これからも三人で帰るからさ。」

親指を立て笑う。

「当っり前だろ!旬磨に気を遣われるとかえって気持ち悪いし。」

そう憎まれ口をたたいたが、真意は分かったいた。

旬磨が変に気を遣えば、俺達も同じになってしまう。

だから今までと同じでいいんだよな。

サンキューな。

心の中で何度も感謝しながら、部屋を出た。

気まずくなるんじゃないかとの心配は、取り越し苦労だった。

…本当にお前は、ストレートで優しい奴だよ。

もし万桜が俺じゃなく、旬磨の事を好きになっていたら、俺、今のお前みたいに出来たかな?

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