それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
視線を体中に受け、アタシ達は食堂を後にした。
「万桜、昨日寝るの遅かった?」
「宿題忘れてて。」
旬磨先輩の質問に『ちょっとテンション上がっちゃて』なんて素直に答えられない。
…そう、嬉しさでなかなか眠りにつけなかった。
ヒロ先輩の言葉が、何度もアタシの中で繰り返された。
「明日も一緒に食べような。」
ヒロ先輩がアタシの顔を覗き込む。
「え…?」
「イヤ?」
嫌じゃない、けど…。
「恥かしい、な。」
正直に伝えた。
「大丈夫よ、そのうちみんな、気にしなくなるから。」
何だか必死に後押しする亜子。
でも今日は…周りの視線が痛かった。
『マジで?あの二人』
『またヒロの気紛れじゃない』
先輩達は気付いていなかったみたいだけど、アタシには聞こえていた。
…まぁしょうがないよね。
学園の人気者だし。
「ん~じゃあ週に5回!」
ヒロ先輩の発言に、
「それなら毎日だって。」
呆れたように旬磨先輩が言う。
「ん~週4!」