それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
また明日、と電話を切った。
毎日一緒に帰っているのに、話は尽きる事はない。
嬉しくて楽しくて、ほんのちょっとの事でも会話が弾むから。
そして少しずつ電話で敬語が減る万桜がいた。
嬉しかった。
目上には絶対的に敬語で話す万桜にとって、俺は特別なんだ。
…携帯を握り締めた。
最近いつも、同じ時間に鳴る電話に唇を噛み締める。
――相手は分っていた。
登録してない番号だったが、最初にかかってきた時に通話ボタンを押した。