それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
立ち止まったアタシ達はその車を見ていた。
そして、運転席から女の人がヒラリと出て来た。
暗くてよく分らないが、髪の長い人。
「ヒロ、お前…。」
旬磨先輩はヒロ先輩に視線を送る。
「ここで…待ってて。」
こっちを一度も見ずに、ヒロ先輩はまっすぐ歩き出した。
その人に向って。
「?」
…誰かな?
知り合いかな?
アタシだけこの状況に付いていけてない。
ただヒロ先輩の険しい顔と、隣りの旬磨先輩の落ち着かない様子が、アタシを不安にさせた。