それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
静佳の妹の美華達、何人かと遊びに行った時偶然に会った。
そして美華を通して『付き合って欲しい』と言われた。
軽い気持ちで付き合い始めた。
悪い気はしなかった。
相手は大人で、たまにこうやって車で迎えに来てくれる事もあった。
高校生の俺が到底行けないような、お洒落な店にも連れて行ってくれた。
でも、静佳は無神経な事を平気で言う女だった。
『宏慶と一緒に飲みに行けない。』
『迎えに来て欲しいのに…。』
『サッカーばかりでつまらない。』
分っていたろ。
俺が高校生だって分かってて、付き合ってるんだろ。
自分がひどく子供に思われているようで、静佳への思いはすぐに消えた。
付き合って半年位たった頃だった。
最初はガマンした。
部活もサボった。
来た事もない、繁華街で待つ事もあった。
でも、疲れた。
そして別れを告げた。
『ウザいわ。』
何度も電話がかかってきたが、それから話す事もなかった。
おれが携帯の番号を変えてから、思い出す事もなかった。
俺のメモリーからも、もう消えていた。