それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~


静佳の妹の美華達、何人かと遊びに行った時偶然に会った。

そして美華を通して『付き合って欲しい』と言われた。

軽い気持ちで付き合い始めた。

悪い気はしなかった。

相手は大人で、たまにこうやって車で迎えに来てくれる事もあった。

高校生の俺が到底行けないような、お洒落な店にも連れて行ってくれた。

でも、静佳は無神経な事を平気で言う女だった。

『宏慶と一緒に飲みに行けない。』

『迎えに来て欲しいのに…。』

『サッカーばかりでつまらない。』

分っていたろ。

俺が高校生だって分かってて、付き合ってるんだろ。

自分がひどく子供に思われているようで、静佳への思いはすぐに消えた。

付き合って半年位たった頃だった。

最初はガマンした。

部活もサボった。

来た事もない、繁華街で待つ事もあった。

でも、疲れた。

そして別れを告げた。

『ウザいわ。』

何度も電話がかかってきたが、それから話す事もなかった。

おれが携帯の番号を変えてから、思い出す事もなかった。

俺のメモリーからも、もう消えていた。

< 55 / 234 >

この作品をシェア

pagetop