それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
すぐに気付いた。

いつもヒロ先輩に電話をかけてくる人だ、と。

旬磨先輩が言った『ヒロが前に付き合ってた人』の意味。

あの人は知っている。

部活が何時に終わるかを。

いつも帰りに鳴る電話。

校門を出た所で。

先輩は音を出さないようにしていたようだが、ピクリと体がした後制服のポケットで低くウーウーとしていたのは気付いていた。



そして、その人はこっちに近付いて来る。

コツコツとヒールの音をたてて。

アタシはただ黙って、それを見ていた。

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