それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
「それって…嫉妬だよ!」
身を乗り出して亜子が言う。
「嫉妬!?」
「そう、元カノ登場で!」
嬉しそうなのは…気のせいだよね、亜子。
「イヤだったでしょ、とっても。」
「うん。」
この人がヒロ先輩と付き合ってた…と思うと、すごくイヤだ。
その人がどんな人かは分からないが、手を繋いだり抱き合ったり、キスしたり…。
過去の事とは分っていながら、想像したら…。
「あ″~。」
変な声を出してしまった。
これが、嫉妬なのかな。
「そうだよ、元カノのが万桜を嫉妬させるんだよ~。」
絶対喜んでるよね?
静佳と呼ばれたあの人。
大人で、アタシが知らないヒロ先輩を知っている。
…そしてアタシを苦しめる。
「でもヤバイんじゃない?」
またまた不安な事を言う。
「そうかな…?」
「だってわざわざ来るなんて!未練ありありじゃない?。」
腕組みをして、何度も頭を振る。
亜子が恋愛の達人に見えるのは…気のせい?