それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
「私、お水持ってくるね。」
席を立った。
今日の麻婆豆腐辛いんだもん。
すれ違う人をかわし、持ってきたコップを置いて『冷水』のボタンを押した。
勢いよく出るお水。
「アコチャン悪い、俺のも!」
「!」
いつの間にか後ろにいたヒロ先輩。
私にコップを差し出す。
「は~い。」
コップを受け取る。
「言ってくれたら一緒に持ってきたのに~。」
「あぁ、頼んだら良かった。」
優しく笑う。
「あのさ…。」
そして急に真顔になった。
「はい?」
「さっきの三年て、何?」
さっきの…?
三浦先輩の事かな?
「三浦先輩、ですか?」
「そう、万桜の友達?」
心配してるんだ。
万桜、話していないんだ。
私も気になっていた。
万桜は『からかわれてるだけ』と言っていたけど、あんな風にしょっちゅうじゃ。
私は思い切って言ってみた。