それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
お金を払おうと財布を取り出そうとしたら、
「今日はいいよ。俺が誘ったから俺が払う。」
先輩はストローに口をつける。
「でも…。」
「いいって、これのお礼と…。」
首元からネックレスを出した。
あ、アタシがプレゼントした…。
先輩はシャツの首元からネックレスをチラリと見せた。
感謝の気持ちを込めて贈った物。
いつも先輩のそこにあるのは知っていた。
大切に、肌身離さずつけていてくれていた。
「あと、今までの…感謝の気持ち。」
「??」
「マネージャーへの、だよ。」
先輩…??
「いいんですか…??」
「あぁ。」
優しく笑う。
すごく嬉しい。
アタシは前髪を直すフリをして、下を向いた。
少し涙が出そうになってしまったから。
「…ありがとうございます。」
「うん。」
心があったかくなった。
ネックレスを着けてくれていた事、そしてマネージャーへのお礼なんて。
アタシ、マネージャーとして少しは役にたててるのかな。
評価してくれたのかな。
「あ、それアイスティーな。俺達が初めて話した時、飲んでたろ。」