それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
「万桜の事、守ってやってくれよ。」
あぁ?
何言ってるんだよ、分かってるよそんな事。
俺が今万桜の彼氏なんだから、当り前だろう。
俺がイラついているのは無意味だという事は、分かっていた。
勝手に対抗意識を燃やしているだけだって。
まだまだ子供なだけか。
相手がこの人だから、かな?
「俺は…万桜の為なら、格好悪い事でも我慢できたよ。」
「?」
「痛い思いも、頭も下げた。」
遠くを見る目。
俺には、よく分からない。
万桜を守るのと、痛い思いとか頭を下げるとか、どう繋がるっていうんだ?
「君にはまだ分からないか…。分からない方がいいに決まってるけどね。」
分んないよ、この人の言ってる事。
ジュースを飲み干した。
氷がガシャガシャと音を出す。