恋人遊戯Ⅱ





「君の道理を私に置き換えれば、君が私の言う事を聞くって事なんじゃない?」


……ああ言えばこう言う…。こう言うのってなんだっけ? お袋に耳にタコが出来るぐらい言われた…そう!! 屁理屈だ! 屁理屈を言ってるように感じるんだ。


ってか、こいつは一言った文句を十に返して言いくるめやがる。タチが悪いっつーか、変に頭が回るっつーか…正直、彼女にはしたくないタイプ。ってか、同性だとしてもダチにしたくない! 頼まれても!


「しづ……ぁ、かさか、と…嶋田…まだいたんだな」


「…………妻ちゃん?」


突然、教室に入って来たのは、数学担当の妻田。こいつは、女子に人気があるみたいだけど、それをあまり鼻に掛けてないヤツ。同性からも慕われる感じかな?


って、なんだ? どこのクラスも受け持ってない妻田が、わざわざ俺と赤坂の様子を見に来るかよ?


「妻ちゃんこそ何でここに来たんだよ」


妻田だから妻ちゃん。って、言ったのは誰だったかは忘れたけど、本人目の前にそれを言っても怒った事はない。


「…ど、どうしてって、授業も終わってだいぶ立つのに、向かいの校舎からお前らが見えたからどうしたのかと思って来たんだよ」


…確かに、ここの教室の向かいって数学準備室があるけど…あそこって教師ですらよる事がないはずじゃなかったかな?


しかも、赤坂は借りてきた猫状態で大人しくなってしまった。


うっわぁ~!! 内申点を上げようと姑息な行為してんのかよッ!? …って、何かちょっと違う?





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