恋人遊戯Ⅱ
全く、表情を変えない赤坂に俺は逆に動揺してる。
「……誰?」
「は?」
「…ごめん。クラスメイトじゃないよね? 私、クラスメイト全員覚えてないのよ」
………なら、隣のクラスなんてもっての外。顔すら知らないのかよ?
赤坂の無表情の顔に唖然としながら俺は、彼女の席に近づいた。机に広げられたのは、沢山の数列の数々。
げぇ!? 見た事もない数字とかが並んでんじゃん!! あ~!! 見ただけで頭痛い!
「あ、あのさ。俺、隣のA組の嶋田諒(しまだ りょう)。赤坂の事、前から見てて…」
「リョウ…? シ、マダ………」
ポカンとした表情で俺を見上げる赤坂は、外国人みたいに苗字と名前をひっくり返して口にした。
「そ、そう。嶋田諒だよ?」
「……………」
…な、何か調子狂うと思いつつも、もう一度名前を言うと今度は完全に思考がどっかに行ってるみたいだ。
「……その、シマダ君が私に何のよう?」
「だ、だから…その…俺と、俺と…つき…」
「…付き合ってほしい。とか…?」
た、単刀直入にズバッといくなぁ…。