恋人遊戯Ⅱ
第4章 少しずつ、動き出す何か
オイオイ…マジですか~…?
英語67点。数学72点。現国69点。化学70点。日本史77点。
その他諸々のテストの点数を見て、俺は立ちつくした。
ダチの中で一番頭が悪いのが断トツに俺。ちなみに、一番頭がイイのが樋高礼司だ。
ヤツが俺の行動が遅いと言って、痺れを切らして自分のターゲットにアプローチしているみたい。俺とは違って、外堀から倦めて行く作戦のようだった。
そんな礼司にも勉強を教わった時よりも点数が上がっている。
これはもう、赤坂のおかげだとしか言い様がないっしょ!!
…これって、赤坂に礼言わなきゃダメだよなぁ。テスト週間前に険悪な雰囲気になってから、真面に話した覚えがないからなぁ。
少し…っつーか、かなり話かけづらい。別にどっちが悪いにしても、雰囲気が悪いのが続くと声とかかけづらくなるな…。
でも、礼は言っときたいし…。
これをきっかけに、仲直り…ってほど仲が良いって訳じゃないけど。
「諒!」
「礼司…どうしたんだよ?」
「どうしたんだよ今回。いつもなら赤点ギリギリのヤツが」
ニヤニヤと笑いながら礼司が近付いて来る。
成績が上がった理由を知ってるコイツがそれを聞くかよ。
呆れながらも俺は礼司に反撃を思い付いてニヤリと笑った。