恋人遊戯Ⅱ
「そ…う……」
まぁ、無理だよな。それを何度も話して近づいてオトすってのが一番の方法だ。
ジッと俺の顔を見る赤坂。な、何だよこいつ…。
あんまり、こいつの噂って聞いた事がないよな。仲のいい友達らしいヤツらと話をしているのも見た事がない。
どんなヤツだろう…。知らないのにコイツが頭に浮かんで、名前を挙げたけどさ。何で俺の頭ん中に浮かんだんだろう。条件に合うけど。
「…いいよ」
「へッ?」
「付き合うの。いいよ」
…ど、どう言う事だ? あっさりと…、あっさりぃ!? なんだ、軽い女並みの態度は? ってか、軽い女でもこんなにアッサリとOKするか!?
無表情でOKするのも若干、怖いしッ。
「……やっぱり、イヤなの? …別に私は構わないよ。どっちでも」
なんだこのどっちでもいいって!?
で、でも、ここで俺が止めたって言い出したら、アイツら一人ずつに1万円を払わないといけない事で…。
そ、それだけは嫌だッ!! 今月、好きなアーティストの初回限定版のアルバムが出るし、毎回買ってる漫画の発売日だって近いのに、アイツらの分なんて出せれる訳ないだろ!? 少ない小遣いでやりくりしてんのによ!