恋人遊戯Ⅱ
…ようやく気付いた。
プライドが高く見せていたのは、弱い自分を見つけられないようにするためで、実際の赤坂は…弱いんだ。だって、俺らはまだ親に面倒を見てもらってる立場だ。
両親の離婚で引取られなかったって聞いた時に、何で気付かなかったんだ俺は…。
誰だって一人は寂しいんだよ。人間なんだ。暴力の傷よりも、言葉の傷が一番、心に残るんだ…。
「………赤坂…」
その細い肩にそっと触れようと手を伸ばしたら、さっきまで顔を覆い隠してた両手が俺に向かって来て…。
抱き付いて再び泣き出した。声を殺すように、小さなモノで泣く赤坂に俺は自然と手が動いて、彼女の背中に周って優しく包んだ。
「……っく、…ょうちゃん……す、き……」
…心臓に悪過ぎですわ…。俺じゃない男の名前を呼んで、告白して…。ドキリとしながらも、俺は赤坂を優しく抱き締める事しか出来なかった。
ってか、生き地獄ってこう言う事なのかなぁ? だって、下着姿の赤坂が俺の身体にピターってくっついて離れないんだぞ? …その…赤坂の豊満じゃないけど、胸が当たってるんだから。
俺だって男なんだから、身体が反応しちゃう訳だけど…こんなに弱ってる赤坂に、そんな事が出来ないから耐えるのみ…。
「…しょ…ちゃん…」
何で俺じゃないんだろう。妻ちゃんなんだろう。俺じゃダメなんだろうか…。