恋人遊戯Ⅱ
「う、嬉しいよ!! すっげぇ嬉しい!」
思わず笑顔で答える俺。ちょっと、露骨すぎるかな?
でも、赤坂はさっきから無表情のまんま。
…こいつ、何考えてるんだ?
でも、無表情の赤坂の顔を俺は、始めて見た。
長い前髪の隙間から見える目は、どこか寂しそうに見えた。
一重の少し切れ長の瞳。普通だと思っていた顔立ちが夕日の日差しで綺麗に映し出されていた。
一瞬、彼女に見惚れてしまった。
無表情と言うか、どこかに置いてけぼりになった小さな子供にも見える。
「あ、あの…さ。赤坂の、下の名前…教えて欲しいんだけど」
「……………静子。でも、名前で読んでもらいたくない」
そう言うと赤坂はまた下を向いて勉強を始めだした。…勉強ばっかで何が楽しいんだ? まぁ、勉強嫌いな俺だけどさ。
「赤坂って、勉強よくするけど好きなのか?」
「……………嫌いでも好きでもない」
一瞬、何か思案してるような表情になったかと思うと、再び赤坂は無表情になって答えた。