恋人遊戯Ⅱ
「ここ、赤坂ん家?」
「違う。友達の家」
あっさりと返されたかと思ったら、ポケットから取り出した白色のケータイを開いて誰かに電話を駆け出した。
「もしもし? 久し振り。ちょっと部屋貸してくんないかな? …悪いね」
いつもとは違う赤坂の声。友達かな? でも、赤坂の友達って、イメージが沸かない。いつも一人でいるから、何か違和感を覚えるな。
そう思っていたら、グイッて腕を引っ張った。
コケそうになりながらも、何とか赤坂について行ってエレベーターに乗り込む。5階にチン! と、音を立てて辿り着く。
一番奥の部屋まで歩く間、赤坂も俺も全く口を開く事がなかった。
本当に一番奥に辿り着いた俺と赤坂は、一つの扉の前に立つとチャイムを鳴らした。
「はーい!」
可愛い声が部屋の中から聞こえ、次にパタパタと玄関に近付く足音が聞こえる。
「はいはーい!」
玄関から現れたのは、まさにお人形と言っちゃいたくなる様な雰囲気を持った女の子。
栗色のフワフワソバージュと赤坂よりさらに小さな背に、クリクリの目は男が守ってやりたいッ!! って気分になる。