恋人遊戯Ⅱ






マンションは白を基調としてるみたいで、部屋も廊下も広く見える。


「……ぁ、あの、赤坂さん………?」


ここのマンションに着いた時から、赤坂の様子がおかしい…。


どこがどう、おかしいって詳しくは言えないけど、何か変。


「ここに入って」


部屋に通されて、俺は驚いた。


真っ赤な服が…とにかく壁に真っ赤な服がかけられていた。ワンピースとかなら、俺だって驚かない。


し、下着だとしても…驚くけど、それとはまた違うモノに俺は驚いた。


一般家庭にはかけられていないモノ。それは…。


「驚いた? あれ、さっきの子の…。んで、2年前まで私が着てた」


「は…ぇえ?」


ボゥ…と『それ』を見ていた俺の耳に再び信じられない言葉が飛び込んで来た。


「私、2年前まで族にいた」


…族…? って、家族って意味じゃないよな…? それって、かなりヤバい意味で…って、事だな…。


だって、赤いコートとも言える服の下辺りに飾られている写真の中に、赤坂らしき人間がど真ん中を陣取って写ってた。


「………これ、赤坂……だよな?」


「そう。……ここに座って」


「お、おお…」





< 47 / 60 >

この作品をシェア

pagetop