恋人遊戯Ⅱ
マンションは白を基調としてるみたいで、部屋も廊下も広く見える。
「……ぁ、あの、赤坂さん………?」
ここのマンションに着いた時から、赤坂の様子がおかしい…。
どこがどう、おかしいって詳しくは言えないけど、何か変。
「ここに入って」
部屋に通されて、俺は驚いた。
真っ赤な服が…とにかく壁に真っ赤な服がかけられていた。ワンピースとかなら、俺だって驚かない。
し、下着だとしても…驚くけど、それとはまた違うモノに俺は驚いた。
一般家庭にはかけられていないモノ。それは…。
「驚いた? あれ、さっきの子の…。んで、2年前まで私が着てた」
「は…ぇえ?」
ボゥ…と『それ』を見ていた俺の耳に再び信じられない言葉が飛び込んで来た。
「私、2年前まで族にいた」
…族…? って、家族って意味じゃないよな…? それって、かなりヤバい意味で…って、事だな…。
だって、赤いコートとも言える服の下辺りに飾られている写真の中に、赤坂らしき人間がど真ん中を陣取って写ってた。
「………これ、赤坂……だよな?」
「そう。……ここに座って」
「お、おお…」