恋人遊戯Ⅱ
すでに床に座った赤坂の向かいに座ろうとしたけど、ギョッとした。赤坂の口には、いつの間にかタバコを咥えて、火を点けていた。
今まで見た事がない赤坂…。まっさか、こう言う所があったとはなぁ。
驚いて、ジッと赤坂の顔を見ていると、俺の視線に気付いたみたい。
「…吸う?」
赤坂の言葉に俺はタダ無言で首を振るだけ。吸った事がないし、吸いたいって思った事がない。だから、赤坂の言葉に戸惑う。
「……んで? 何があったの?」
「へ?」
「………あのハゲデブに殴りかかろうとした理由」
呆れた顔でまたタバコを吸う。はき出される時の赤坂の顔はどこか色っぽく見えて、俺はドキリと心臓の鼓動が早くなった気がする。
「あ、あれね。親の事を言われたから」
分かるだろ? って顔をしたけど、赤坂は全く興味なさゲ。
あぁ~…こう言う時にドラえ●~ん助けてぇ~って言いたいや。
「…悪いけど、賛同出来ない。それ聞いても、恵まれた家の子って感じ」
アッサリと返された。何となく、赤坂ならそう返されるだろうなって思ってたけど、予感的中…。
「……赤坂ん家、よくないのか…?」
「一般家庭から言わせたら、よろしくない」
いつの間にかタバコが半分なくなって、赤坂が部屋に置かれているガラスで出来た灰皿で揉み消した。細い煙が天井に向かって消えた。