恋人遊戯Ⅱ





耳垢が溜まってた訳じゃない。赤坂が冗談を言う様な奴じゃない。


でも、何て言った!? 今、赤坂は何て言ったッ!?


「あれ、知らなかった? 私、君より2コ上だよ」


クスクス笑う赤坂の顔は、イタズラをバラしたガキに見えた。


俺の中にあった、ほんの少し分かってたつもりの赤坂のイメージが音を立てて崩れていく。


「マジかよ……」


「マジだよ。現役高校生で成人者。ありえないよね」


お酒もタバコもOKだよ~。と、のんきに言う赤坂に俺はガックリと肩を落とす。


別に赤坂が年上だから、遠慮とかがどうとかはないけどさ…。


問題は、なんで赤坂が成人したにもかかわらず高校生なんてしてるんだよ。


「不思議?」


「ぁ、うん。面倒臭くない?」


「全然。もう一度学生に戻れるとは思わなかったから」


俺の考えてる事を詠まれてしまい、驚きながら答えたら赤坂の目がどこか遠い方を見ている。


「…妻ちゃんとは、いつからの…?」


うっわ…。ガラにもなく、声が震えてる! き、緊張してるッ!!


し、心臓もバクバクいってるしッ!! えぇぃっ! 心臓よっ、止まれッ!! …って、本当に止まったら困るけど!


頭ん中で、動揺なのか支離滅裂な事で葛藤してた。


知りたいようで、知りたくない。すげぇ、複雑な気持ち。





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