恋人遊戯Ⅱ
「………………将ちゃんとは、私が猿みたいな赤ん坊の頃からの知り合い。…いとこだよ」
吐き出されたタバコの煙は、周りを煙たく視界を遮ったかと思うとユラユラと天井に向かって舞い上がって消えた。
「将ちゃんの父親と私の母親が兄妹なの」
「……いとこ………」
小さな呟きは、赤坂の耳には届いてないみたいだった。
「何から聞きたい?」
「え…?」
「将ちゃんとの事? 二十歳の女が現役高校生してる事? それとも、暴走族してた切っ掛け?」
次々に俺が疑問に思ってた事を口に出す赤坂に、俺は若干怯んだ。まるで赤坂は自分自身を痛め付けるように見えて、どっか痛々しく思える。
それが苛立ちに変わって来ているのか、口に咥えていたタバコを指で掴んで灰皿に叩き付けるように火を消した。
「………………聞かない」
「…ぇ…?」
「赤坂、喋りたくないんだろ? なのに無理やり聞き出すのって、俺は嫌だ。喋りたくなったら、いつでも聞くよ」