恋人遊戯Ⅱ
「将ちゃんと彼女の関係もほんの少しの間だけ、気まずくしちゃったし…」
足を投げ出していた赤坂は、平均的な身長を小さくするように三角座りをして顔をそこに埋めた。
何だか、泣いているようにも見える。
「将ちゃんから離れなきゃダメだって分かってた。…でも、出来なくて族に戻った。そうすれば、将ちゃんは私を引き止めようとする。すっごく、ヤな人間!! 最低最悪ッ!!」
もう、俺はタダ黙るしかなかった。こう言う時は何をしたって、思っている事を吐き出さないと気がすまないんだから…。
「馬鹿だ…。こんな事したって、将ちゃんが私の事…ちゃんと見てくれるはずがないよ」
肩を震わせて、泣いているのが分かる。
何で、俺じゃないんだろう。
笑ってる顔も見た事もない赤坂だけど、表情を変えないようにしているけど、必死に感情を殺そうと見えるのは俺だけかな?
俺より年上だけど、こんな姿を見たら…そんなの関係ないって思った。
誰だって泣きたい時がある。誰だって肩を借りたい時だってある。
それだけでいい時だってあるんだ。
…でも、そんな感情の中にもドロドロとしたイヤなモノも溢れてる訳で…。
それが、なんなのかも分かっているからこそ、切り離したいと思うんだ。
ゲームだって、割り切ってた。でも、それは最初だけ。